前置き(本格的にキャリアを始めるまで)理想としていたキャリアの軸1社目担当業務何故未経験からAIエンジニアへキャリアチェンジ?キャリアチェンジを実現するために実行したこと2~4社目(副業とインターンを並行して経験)5社目6社目を探す転職活動未経験で苦労したことは?それに対してやったことは?転職活動を終えてみての感想今後の展望InterviewCatは何のコンテンツを使った?どこが役に立った?最後に
これまで接客・塾講師で生計を立ててきた未経験者(当時31歳)がキャリアチェンジを図り、約2年かけて「機械学習エンジニア」「AIエンジニア」として正社員内定を頂いたので、ストーリー共有させて頂きます。
前置き(本格的にキャリアを始めるまで)
私は大学を中退し、接客業やコンビニの夜勤をして再受験のための予備校代を稼ぎました。その後、予備校生活を経て大学再受験、大学院進学(のちに中退)と、色々と遠回りをしました。
結果的に、一般的な4年制大学卒の年齢より9年遅れで社会人生活を再スタートすることになりました。ここから先を、私のキャリアと考えていただければと思います。
理想としていたキャリアの軸
- 専門性のある人の中で働きたい
まず私は「専門性のある人の中で働きたい」と考えていました。素人が独学で学んだところで実現できることは高々知れていると思ったからです。だからこそ、専門性のある人が集まる場所でスキルを磨こうと決めました。
- 成長志向のある人の中で働きたい
もうひとつ大事にしたのが「成長志向のある人の中で働きたい」ということです。人間は環境に流されるものだと私は考えています。自分が成長して社会にインパクトを残したり、より多くの報酬を得るためには、成長志向の高い人達の中で仕事をすることが追い風になると思いました。
実際に学生時代も同じような経験がありました。中学時代は受験勉強に打ち込んでいたら少し浮いてしまい、やりづらさを感じたこともあります(卒業間近になるとみんな応援してくれるようになりましたが)。これは社会に出てからも同じだと思います。だからこそ、キャリアアップのために必死で手を尽くすことが当たり前の環境に、できる限り身を置くべきだと考えました。
1社目
担当業務
日系大手通信企業でAIチャットボットのカスタマーサクセス職として正社員で1年弱働きました。
業務内容は、AIチャットボットの開発や解析をベンダーが行い、その結果をスライドにコピペして定型どおりにクライアントへ説明するというものでした。
何故未経験からAIエンジニアへキャリアチェンジ?
自動化された解析結果をスライドにコピペしてクライアントに話すだけの単純作業でした。これでは市場価値を高めることはできないし、キャリアの軸を実現できないと思ったからキャリアチェンジを決意しました。
業務で扱っていたAIチャットボットは、エンドユーザからの問い合わせに対して的はずれな回答をすることも多く、クライアントにこの商品を使い続けていきましょうと薦めるのは気乗りしませんでした。
大学では電気電子・情報通信を広く浅く学んでいたため尖った専門性は持ち合わせていませんでしたが、エンジニアリングやデータサイエンスといった分野は理工系で学んできた自分と相性がよいと思いました。
そこで、自分がAIプロダクトを作る側へと回ることで社会に貢献できるのではないかと思うようになりました。
また、この職場でお世話になったトレーナーの方(当時40代前半で、社歴も10年以上)が給与に関して「これだけしか上がらないのかぁ」と言っていたのを、3年以上経った今でもはっきりと覚えていますがこの会社でずっと働くのは自分には無理だなと思いました。
キャリアチェンジを実現するために実行したこと
Pythonを独学して、AIチャットボットによるエンドユーザーからの問い合わせ解決率の推移を可視化してクライアントへの説明に使っていました。大したことではありませんが、自分でできる範囲のことを実務に活かしてみるというのは積極的な姿勢として転職活動で評価されるものです。
2~4社目(副業とインターンを並行して経験)
- 福祉ベンチャー企業でデータ分析アシスタント(副業)
- 職場定着度に影響を与える特徴量を機械学習により探索
- 中小システム開発企業でバックエンドエンジニア(インターン)
- 日本語のテキストデータから余計な語句を除外したり句読点を補うAPI機能の開発
- 松尾研ベンチャーでAIエンジニア(インターン)
- ChatGPTが返してくれる内容を、自社アプリケーションに連携してデータ処理する機能の実装
5社目
メガベンチャーでデータアナリスト(派遣社員, 1年)
その後、メガベンチャーでデータアナリストとして派遣社員で1年間働きました。久しぶりに連絡した派遣会社のエージェントさんから紹介してもらった案件です。信頼できるエージェントさんは複数作っておくことをおすすめします。
実際にメガベンチャーで働いてみた感想としては、自分の取り組みにレバレッジを効かせられるということです。ただメガベンで働いただけでは意味がありませんが、自分の取り組みを転職活動で話すときにインパクトを増幅させてくれる力がメガベンという肩書にはあると思いました。
私はこの期間に、機械学習を使ったとあるプロジェクトを立案して推進しました。その経験は転職活動で強みになったと思います。
一方、当時アサインされていたプロジェクトのマネージャーとうまくいかず、派遣契約が3ヶ月後に終了することになり、それまでに次の仕事を決めないと食いっぱぐれてしまうというデッドラインに追われながら転職活動をすることになりました。
6社目を探す転職活動
前述のとおり、派遣社員として働いてきたメガベンチャーを追い出されることになり今回の転職活動を始めました。
希望企業は以下の通りでした。
- 第1希望: メガベンチャー
- 第2希望: AIベンダー
- 第3希望: コンサルティング企業, SIer
希望職種についてですが、自分の観測範囲では「データサイエンティスト」のJob Titleだと、多くの場合コンサルティングが業務の多くを占めている認識でした。
実際、派遣社員として在籍していたメガベンでもコーディングや開発は全然できずクライアント折衝に従事している人もいました。
そのため、データサイエンスもソフトウェア開発もやってみたい自分としては「機械学習エンジニア」「AIエンジニア」が第1希望でした。
結果は以下のとおりです。
- 応募総数: 90社
- 一次面接に到達: 17社
- 最終面接に到達: 9社
- 最終内定: 2社
最終的に、AIやデータ基盤に特化したSIerに入社することに決めました。
AI開発・データサイエンスやそのためのデータ基盤の設計・開発に携わる予定です。
未経験で苦労したことは?それに対してやったことは?
よく言われる、鶏が先か卵が先かの話ですが、実務経験を得るために応募しているのに実務経験がないから採用されない状況に苦しみました。
そこで「無いものは無い」と割り切り、身だしなみを整える・ハキハキと気持ちよくコミュニケーションをとるなど、技術的経験がなくても「この人と働きたい」と思ってもらえるような態度で面接に臨むことを徹底しました。
転職活動を終えてみての感想
派遣社員とはいえ、メガベンチャーで機械学習活用プロジェクトを立ち上げて推進した経験があった自分としては、正直他のメガベンも1次面接ぐらいは呼んでくれるだろうと期待していましたが、尽く書類落ちで現実を突きつけられました。
今回の転職活動はほぼすべての企業に関してエージェントさんに助けて頂いたため、メガベンに限らず多くの企業から落選のフィードバックを聞けました。
そこでスキル不足よりも圧倒的に多かったのが「長期就業への懸念」でした。
完全に身から出た錆ですが、特に自分のように実務経験が浅くスキル面で突出したものがないうちは、やはり短期離職や奇抜な経歴というのは敬遠されてしまうことを実感しました。
今後の展望
離散数学や代数学から始めて、コンピュータサイエンスを身につけてデータ処理の高速化など技術者として成果を出したいと思っています。
InterviewCatは何のコンテンツを使った?どこが役に立った?
InsideStory InterviewCatをよく読んでいました。技術者といえども、会社にお金を稼がせる意識はこのコンテンツを繰り返し読むことで腹落ちさせ、自分の経験を面接で話せるように練ることができました。
最後に
自分の興味のあること、やってみたいと思ったことを仕事にするのは本当に大変だと改めて痛感しました(それでも内定を出してくれた企業には感謝しかありません)
未経験の業界に仲間として迎え入れてもらうことは本当に険しい道ですし、諦めなければ必ず叶うとはとても言えませんが、それでもやりたいのならば内定をもらえるまで行動し続けるしかないと学んだ経験は、今後のキャリアにとって血肉になると思いますし、今挫けそうになっている方に少しでも背中を押せれば幸甚です。