LINEヤフーは日本でもっともソフトウェアエンジニアを採用している企業の一つであり、数々の有名サービスを展開しています。大規模トラフィックを処理するシステム、大量のメッセージ配信基盤のシステムなどスケーラビリティの高いシステム開発を経験することができ、ソフトウェアエンジニアとして一段階上に成長できる機会を与えてくれる企業です。
この記事では、LINEヤフーの面接プロセスについて解説していきます。内容は採用ページの募集ポジションから得られる情報、LINEヤフーを中途採用面接を受けた方へインタビューした内容をもとに作成しています。
注意点としては、この記事にかかれている内容はLINEヤフーの公式見解ではありません。評価基準などもあくまで想像で書いたものであり、また、載せてある問題例に関しても、実際にLINEヤフーの面接で聞かれた質問ではないことをご注意ください。
面接プロセス
大前提、LINEヤフーの面接はチームやポジションによって異なります。LINEよりかヤフーよりかで異なる部分があります。あくまで想像ですが、採用方針は統一されておらず各チームに委ねられており、以前の文化が残っていると思われます。典型的には2〜3回ほど面接があり、最後に人事面接があります。
典型例としては以下のような面接プロセスになります。
- 書類選考
- コーディングテスト
- 1次面接
- 2次面接
- 最終面接
- 人事面接
書類選考
クラウドサービスのマネージドサービスだけに頼らず、
サービスインフラグループが自社で運用提供するプライベートクラウドを使用している例が多く見られます。通常のWebアプリケーションでは経験できないような高パフォーマンス、スケーラビリティが求められているシステム開発をしているチームも数多いです。単にツールの使い方をマスターしているエンジニアではなく、
基礎技術に確かな基盤があるエンジニアが評価されやすいです。
学歴にコンピュータサイエンスのバックグラウンドがあるとよいですが、ない場合は競技プログラミングなどに取り組んで一定の成果(茶〜緑色レベル)があるとレジュメに書いておくとよいでしょう。
LINE側もヤフー側もJava(Spring Boot)が多く使用されています。使用言語としてJavaは必須ではないですが、JavaもしくはGoなどの静的型付け言語の経験があると書類選考が通りやすくなります。さらに、高トラフィック環境におけるサーバーアプリケーション及びデータベースの設計、開発経験などがあると更に望ましいです。
コーディングテスト
書類選考が通れば、コーディングテストです。数問解くことになりますが、アルゴリズムの問題、SQL問題、実装よりの問題など様々考えられます。
アルゴリズムの問題は
LeetCodeや
HackerRankなどで30問Easy~Mediumの問題を解いておくとよいでしょう。SQLは普段書かない場合忘れがちなので、
LeetCodeのSQLの問題を数問解いて慣れておくと安心です。実装よりの問題に関しては今までの経験値が大切です。ちなみに全問正解しなくても通過できますが、あまりにひどい点数の場合はここで落ちてしまうので舐めないで取り組みましょう。
ライブコーディング
1次2次面接で出題される可能性があります。特にLINE側のチームではライブコーディングなどが出される傾向が高いようです。こちらはコーディングテストと同じ対策が必要ですが、少し異なる点として相手とコミュニケーションを取りながらコーディングすることです。
流れは
- 面接官に質問し問題を理解する
- 解法のアルゴリズムを説明する
- コードを書く
- いくつかテストケースを当てはめて検証する
- フォローアップの質問に対応する
詳しく知りたい方はコーディング面接(ライブコーディング)対策教材のCoding InterviewCatをご購入ください。
InterviewCatCoding InterviewCat | コーディング面接対策教材
Coding InterviewCat | コーディング面接対策教材
Coding InterviewCatはコーディング面接に特化した教材です。コーディング面接に必要なPythonの学習、基本的なデータ構造とアルゴリズムとLeetCode効率的に学習する上での教材を用意しています。
技術質問
技術の理解度確認として一問一答の問題を出題されます。例えば、
- L4とL7のロードバランサーの違いを説明して下さい
- データベースレプリケーションの使用例や注意点を教えて下さい
- 抽象クラスとインターフェイスの使い分けを教えて下さい
など様々な範囲から出題されます。基本的にはプログラミング言語、ネットワーク、データベース、分散システムを抑えておけば大凡回答できる可能性が高いです。単に答えられるだけでなく深いところまで答えられる方は評価が高くなります。
また、受けているポジション的にJavaが必須で、あなたにJavaの経験がある場合、Java特有の質問「Javaのガーベッジコレクションの仕組みを教えて下さい」「Javaの抽象クラスとインターフェイスの使い分けを教えて下さい」などを答えられる準備をしましょう。
システムデザイン
システムデザイン面接ではリアル世界のソフトウェアシステムの設計を面接の場で議論していきます。問題の例としては
などが出されます。しかし、頻度はそこまで高くなく、技術質問を対策しておけば、こちらの問題にもある程度対応できるため、対策の優先度は低めです。
行動面接、経歴の深掘り
これまでの経歴や経験に関する質問をしてLINEヤフーが求める行動指針に沿っているか?技術的な経験は水準に達しているかを評価していきます。
技術的な側面では、技術選定において論理的な説明ができるかどうかが大切です。「なぜその技術を選んだのか?」を明確にし、その背後にある仕組みや代替案との比較を含めて説明できるようにしておきましょう。例えば、あるプロジェクトでDynamoDBをデータベースを採用した場合、「なぜPostgreSQLなどのリレーショナルデータベースではなくDynamoDBを選んだのか?」といった質問に答えられるよう準備しておくとよいでしょう。
求める行動指針に関しては、LINEヤフーは各ポジションごとに求める人物像を求人内容に書いてくれています。とあるポジションでは「 新しい技術を学び、スキル向上の意欲が高い方」「成果にこだわり、最後まで責任をもってやりぬくことができる方」「自ら積極的に課題を発見し、チーム内外の関係者を巻き込みながら、能動的に仕事を進めることができる方」の3つが書かれています。このソフトスキルを持っていることを証明する過去のエピソードを探して面接で披露しましょう。
InterviewCatがオススメするLINEヤフーの部署
LINEヤフーは魅力的なポジションが多いため全て紹介はできませんが、特にInterviewCatがオススメするポジションを紹介します。判断基準としては高難易度の大規模開発が経験できる、技術的に深く成長できるといった内容です。これらの経験はあなたのエンジニアとしてのキャリアを成長させてくれる環境であり、将来的に外資のビックテックなど狙っていく上でもプラスになるポジションです。
LINEのメッセージプラットフォームに関わるチーム
高性能でデータ負荷の高いバックエンドの分散システムの開発やAPIの開発の経験ができます。LINEで1日にやりとりされるメッセージの総数は数百億単位であり、このメッセージ配信を支える技術を経験することができます。直接配信基盤の開発に携わることができなくとも、近いチームに所属することで実際の中身を知る機会も増えることでしょう。
ポジション例
- バックエンドエンジニア / LINE Platform
- バックエンドエンジニア(分散データベース・メッセージングサービス)/ LINE Platform
- バックエンドエンジニア(分散サービスプラットフォーム) / LINE Platform
- バックエンドエンジニア(大規模メッセージ送信プラットフォーム) / LINE BOT
このチームの社員インタビューの記事を見るとより理解は深まります。
Yahoo!検索に関わるチーム
ヤフーの検索プラットフォームは他では経験できない機械学習・自然言語処理技術を利用した改善や、配信基盤やコンテンツ配信のバックエンドシステムの構築などが可能です。Hadoop、Sparkなどビックデータ処理、検索エンジン(Apache SolrやElasticsearchなど)、CassandraなどのNoSQLの経験ができることも嬉しい点です。
ポジション例
- バックエンドエンジニア(検索プラットフォーム開発) / Yahoo!検索
Yahoo!検索チームの社員インタビューの記事を見るとより理解は深まります。
サービスインフラグループ
LINEヤフーは、自社のクラウド環境を開発しているプラットフォームチームのポジションです。より深く特定の技術分野に触れることで今後スペシャリストとしてのキャリアも広がっていく可能性があります。また、ソフトウェアエンジニアとしてのポジションだけでなく、外資の特定の分野(例えばデータベース)のソリューションアーキテクトなどへの転職もマッチするでしょう。
ポジション例
- バックエンドエンジニア(DBaaS) / プライベートクラウド
- シニアソフトウェアエンジニア(プライベートネットワーク) / プライベートクラウド
- ソフトウェアエンジニア(IaaS) / プライベートクラウド
- クラウドプラットフォームエンジニア(Kubernetes CSI) / プライベートクラウ
サービスインフラグループの紹介スライドのリンクを載せておきます。
まとめ
今回はLINEヤフーのソフトウェアエンジニア面接に関する情報を紹介しました。LINEヤフーの面接はチームやポジションによって異なり、実際に何が面接で聞かれるかは分かりません。しかし、今回紹介したいずれかのパターンである確率は高いため、それぞれ出ても大丈夫なように準備しておきましょう。
特にライブコーディングは経験のない方は殆どで、一度模擬面接を受けることをオススメします。IInterviewCatではLINEヤフーに限らず、メガベンチャーの面接対策のサポートを無料で行っています。希望であればライブコーディングに特化した練習も可能です。興味のある方は
XのDMもしくは下の応募フォームから連絡してください。
また、この記事でオススメしたようなLINEヤフーのポジションは技術の要件も高く入社ハードルは高めです。最初は自分の経験にマッチしたポジションを探し、後に異動の可能性を探る方法もありです。
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著者について
サカモト。某外資ITで働くシニアソフトウェアエンジニア。ビックテック・メガベンなどのトップのテック企業へ入社するためのキャリア論と面接対策情報を発信。